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鮮烈・脆弱編


Внизу у деревянной(大いなる過ち)

Внизу у деревянной галлерейки.
приделанной к наружной стене ограды,
толпились на этот раз всё женщины,
баб около двадцати. Их уведомили,
что старец наконец выйдет,
и они собрались в ожидании.
Вышли на галлерейку и помещицы Хохлаковы.
тоже ожидавшие старца.
но в отведенном для благородных
посетительниц помещении.
Их было две: мать и дочь.
Г-жа Хохлакова-мать, дама богатая и
всегда со вкусом одетая,
была еще довольно молодая и
очень миловидная собою особа.

немного бледная, с очень оживленными и
почти совсем черными глазами.
Ей было не более тридцати трех лет,
и она уже лет пять как была вдовой.
Четырнадцатилетняя дочь ее страдала
параличом ног.
Бедная девочка не могла ходить
уже с полгода, и ее возили в длинном
покойном кресле на колесах.


Это было прелестное личико?
немного худенькое от болезни,
но веселое. -- Что-то шаловливое
светилось в ее темных больших.

глазах с длинными ресницами.
Мать еще с весны собиралась ее
везти за границу,
но летом опоздали за 『устройством』 по имению.
Они уже с неделю как жили
в нашем городе, больше по делам!


чем для богомолья, но уже раз.


три дня тому назад,светилось в ее
темных больших посещали старца,
Теперь они приехали вдруг опять!

хотя и знали, что старец почти уж не
может вовсе никого принимать,
и, настоятельно умоляя!

просили еще раз счастья
узреть великого исцелителя.
В ожидании выхода старца мамаша
сидела на стуле, подле кресел дочери,
а в двух шагах от нее стоял старик монах.


не из здешнего монастыря.
а захожий из одной дальней
северной малоизвестной обители.
Он тоже желал благословиться у старца.
Но показавшийся на галлерее старец прошел.

сначала прямо к народу,
Толпа затеснилась к крылечку о
трех ступеньках.


соединявшему низенькую галлерейку с полем.

Старец стал на верхней ступеньке,
надел эпитрахиль и начал
благословлять теснившихся к нему женщин.


Притянули к нему одну кликушу за обе руки!(>.<)
Та, едва лишь завидела старца,
вдруг начала, как-то нелепо взвизгивая.
икать и вся затряслась как в родимце.
Наложив ей на голову эпитрахиль,
старец прочел над нею краткую молитву!!


и она тотчас затихла и успокоилась,
Не знаю как теперь,
но в детстве моем мне часто
случалось в деревнях
и по монастырям видеть и с
лышать этих кликуш!

Их приводили к обедне, они визжали или лаяли.
по-собачьи на всю церковь,
но когда выносили дары и их подводили,
к дарам, тотчас беснование
прекращалось.
и больные на несколько
времени всегда успокоивались.
Меня ребенка очень это поражало
и удивляло!
Но тогда же я услышал от
иных помещиков и особенно.

от городских учителей моих,
на мои расспросы,
что это всё притворство,
чтобы не работать,
и что это всегда можно искоренить
надлежащею строгостью.

при чем приводились для
подтверждения разные анекдоты.

Но впоследствии я с удивлением
узнал от специалистов-медиков.
что тут никакого нет притворства!

что это страшная женская болезнь,
и кажется по преимуществу у нас на Руси,
свидетельствующая о тяжелой судьбе нашей.



сельской женщины, болезнь.
происходящая от изнурительных
работ слишком вскоре после тяжелых,
неправильных.
безо всякой медицинской помощи родов.

महानगरीय फ्रांस

पश्चिमी यूरोप में स्थित
है। इसकी सीमा बेल्जियम, लक्सेम्बर्गजर्मनी
िटजरलैंड इटलीमोनाकोअंडोरा और स्पेन से
मिलती है। फ्रांस की सीमा से लगी हुई दो पर्वत श्रृंखलाएं हैं
पूर्व में आल्प्स और दक्षिण में प्रेनिस। फ्रांस से प्रवाहित
होने वाली कई नदियों में से दो नदियां प्रमुख हैं
सीन और लोयर। फ्रांस के उत्तर और पहैं・・・・・・・



どうやらわたしは大きな過ちを侵していたようだ。
誤解と偏見を恐れずにいえば、今までのわたしは、
何も知らずに檻の中で得意になって吠えている屠殺の順番を待つ豚のようだった。
これほどまでに恥ずかしい思いをしたのは初めてだ。
とても親切なわたしの友人が、森の小鳥のようにそっとやってきて、
わたしの耳元で小さな声で囁いてくれた。
君は間違っている。
ごく控えめに言って、勘違いも甚だしい。
君は世間に嘲笑われているかもしれないよ。と。
その優しきわたしの友人は、見るに見兼ねて忠告してくれたのだろう。
持つべきものはやはり気を置けない友人と潤沢な桃色の塩田だ。
(註;ゴリリヌス地方の慣用句)

この国では、所謂ブログというのは、
その日に自分が食べたものの写真を載せ、
感想を書き、なおかつ世間の事件に自分なりの講釈を垂れ、
しかも毎日更新しなければいけないものなのだったなんて!
わたしは本当に何も知らなかった。
もしかしたら公安に見つかって罰せられるかもしれない。
羞恥と後悔の念を心の最深部に深く刻みつつ、
あたたかい恩赦を心から願いながら今後は正しいブログを書こうと神に誓った。



みなさん、お元気ですか~?
デリクデリクムコザイン(註;ツクツクホウシのゴリリヌス地方の呼び名)
の声もちらほら聞こえだした今日この頃、もう夏は終わっちゃったのかしら。なんて。

今朝は何だか変な気分。
こんな時は気分転換にニーチェの『道徳の系譜』の序言の暗唱に限るネ!
14回繰り返したところでお腹が空いてきちゃったので
朝ごはんにすることにしました!


今日の朝はあっさりと豚にしました。

buta1.jpg

捕れたてとは決して言えないけれども、
致命的なまでには新鮮さを失っていない豚の肉の食感は
叫びだしたくなるのを抑えるのがやっとなほどの感動を
舌の上に与えてくれる、数少ない食材ダヨネ!



調理してから完食するまでに6時間もかかっちゃったので、
すぐさまランチの用意だ!


こんな晴れた日には外でピクニックに限ると
祖父も申しておりました。
てなわけでお弁当を持って近くの高原へ出かける事にしました。


yamma.jpg

寒い、さむすぎる。
メッシュのタンクトップとブルマーにビーチサンダルという
わたしの出で立ちでは、耐えられないのは目に見えていました。
馬鹿みたいにアミと虫カゴまで下げて。
夏の陽気に浮かれすぎて、つい登り過ぎてしまいました。


半泣きで追われるように下山していくうちに、
やっと過ごしやすそうな場所に巡り会えました。

yama.jpg

わあ、みんな美味しそうですね。



寒さと飢えで死にかかっていたので
さっそくお弁当にしました。


hirumeshi.jpg


お弁当っていっても、朝の残りの半身なんです!(>.<)
だって~作る時間もなかったし、置いてても
すぐ痛んじゃうんだもん。
同じ物でも、それを食べる場所が変われば
味も自ずと変わってくるものですよ!
こんな清々しい所で食べる豚の生肉の味は
もう何とも表現出来ません!!



虫や動物や妖精たちと遊んでいるうちに
あたりはすっかり暗くなってきちゃいました。
急いで帰らないと!



そういえば、最近流行ってるよねー、
豚インフルエンザ。
わたしは月に8頭ほど食べるけど、
何ともありませんよ!
わたしにとっては危険部位という概念自体
存在しません!
食べられない所なんてひとつもないんだから。

たしかに豚は、この上なく汚れた、
この世の中で一番不浄な、
目にするだけでも病気になりそうな、
あらゆる侮蔑の対象物、
まさに豚そのもの、なんだけど、
とっても美味しいんだよ。

だからやつらは悪くないんだよ。





ようやく家にたどり着いた頃には
もう真夜中。
はやく晩ご飯の支度をしなくっちゃ!

でももうこんな時間!
いつもの寝る前のお祈りが4時間はかかるので、
簡単なもので済ませる事にしました。

yuuge.jpeg


さあ、お腹もいっぱいになったところで、
もう寝る事にします。
明日も良いブログが書けますように。

ハビービ

ビッセラームビッセラーム
マサハトプールデンマレンシェン
シーブリアラブ シーブリアダブ
シーブッセラ ハウタイル 
タイルヤナイーシュ・・・・・・ 

(訳;シグネイチャー本田)



こめんとうれしい

はじめて このぶろぐに こめんと きました
とてもうれしいので にほんごで かく
わたし にほんごで かくはじめて
こめんとも はじめて
うれしい いっぱい みんな もっと こめんとを かく
そうすると もっと うれしい
あまりに うれしいので
きょうは ほんだせんせいに たよらずに ぶろぐを かく
いっぱい はじめて
とてもよい



ちなみに きょうの ごはんは ぱん
gohan.jpg


すごい おいしい ぱんの ごはん
ごはんは ぱんに かぎる



ほんとうに うれしいので こめんと みんなも よむ


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お元気に幸せに生きおりますか?
私は毎日幸せで精一杯です。
お兄様には久しくお会いしておりませんね。
思えばあのタマキの結婚式の時にお会いしたのが最後でしたよね。
あの時のお兄様の素晴らしいスピーチは、後世に残る名文として、
一族の尊厳と格式の誉れとして、私たちの心に楔のように紛いなく残っております。
私は今でも一部始終を暗唱する事ができます。
(私の中で勝手に『鮮烈と脆弱』というタイトルを付けました。何卒お赦しくださいまし。)
タマキとナズチのお嬢さんの絆は、あの言葉により不動の物となったのでしょう。
お兄様はご存知ですか?いま彼ら夫婦はあの時お兄様が予言したとおり、
水に託された太古の声を収集する為に全財産を費しているのですよ。
なんて素敵な事でしょう。

わたしは最近、石を見るたびにお兄様の事を思い出しています。
昔はよくふたりで石を見に出かけましたね。お兄様と一緒に見る石は、
一人で見る石とはどこか違って見えた気がします。
今夜は良く晴れているので、とても良く見えます。きれいな石。
お兄様も遥か遠い遠いところで同じ石を見ておられるのかしら、と思うと、
すぐにでも会いに行きたくなってしまいます。
本当は直接お会いしてお話ししたいのだけれども、事はそう単純には運ばせてもらえないようです。
なんでも知ってるお兄様のことですから、おおかたお察しがつくでしょう。

お兄様は覚えておられるかしら。私がまだ母と自分の区別もつかないほど幼かったころ、
人と豚の見分けもつかないほど目が悪かったころ、あなたは私の手をとって、
もう誰も近付かないあの忌まわしい事件現場の波打際で、鞄と水鳥の宗教的な関係と、
手動ドアと色黒こびとの相対性について、
隣の家のテレビのリモコンを巧に使って私に教えてくれたことを。
覚えておられようがおられまいが、今となってはもうどうでもいいことです。
しかしこのことだけは打ち明けなければなりません。
あの時以来、私の途方もない心の玄関は土竜人間の喉の奥に向かって
大きく開かれてしまったのです。
あの時以来、私は冬がくると庭に土竜たちの人工衛星を素手で埋めなくてはいけない
役目を背負わされた不浄な女に成り果ててしまったのです。

私が硝子の犬を嫌うも、燃える銀色の誘惑にどうしても抗えないのも、
南の国の麒麟児たちを並ばせて一人ずつ腑抜けにさせてしまうのも、
私の意志ではどうすることもできないのです。

こうなってしまっては、お兄様は私の為にあるていど総てを投げ出さねばなりません。
お解りでしょう。
みんなあなたのせいなのですから。

いつでも土竜たちは見ています。
時には人のふりをして、時には入のふりをして
お兄様のことをいつも監視していることを忘れてはいけない。

なんでも知ってるお兄様の事ですからご存知とは思いますが、
振込先を下に記しておきます。
お兄様が今想像した額の三倍は頂かないと私の小さなつぶつぶ達が黙っていないでしょう。
彼等の恐ろしさはお兄様もよくよくご存知の筈です。
三日以内に振り込まなければ、お兄様の友人達の家の鍵穴は
残らず総て人間土竜たちの意のままになってしまうってさっきテレビで言ってました。

いいですか。
秒針は時計に従うとは限らないかもしれないということを
身をもって解ってしまってからでは遅いのですから。

もう後悔しても遅いのですから。



愛するお兄様へ
あなたの愛しき妹 エルナより



東京三菱UFJ銀行 登別支店 普通 039199760
シオヤマダエルナ

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かんじ たくさん だから
なんて かいてあるかは わからない
あとで せんせいに やくして もらう
たくさん ぶんしょう ありがとう
ねつれつな ふぁんに ちがいない
きっと ほめられているに ちがいない
とても ありがとう

みんなも ねつれつな こめんと ください


ぷりしあんて!

じょんそんつ



Федора(籠り)


komori.jpg

Казалось бы, что всего прямее и ближе...

было бы ему теперь отправиться в дом
Федора Павловича, узнать,
не случилось ли там чего, а если случилось,
то что именно, и, уже убедившись неоспоримо.
тогда только идти к исправнику,
как твердо уже положил Петр Ильич.

Но ночь была темная, ворота у,
Федора Павловича крепкие,
надо опять стучать, с Федором же
Павловичем знаком он был отдаленно,
и вот он достучится, ему отворят.

и вдруг там ничего не случилось,
а насмешливый Федор Павлович пойдет.
завтра рассказывать по городу анекдот,
как в полночь ломился к нему незнакомый.
чиновник Перхотин, чтоб узнать,
не убил ли его кто-нибудь.

Скандал, Скандала же Петр Ильич.
боялся пуще всего на свете,Тем не менее
чувство, увлекавшее его, было столь сильно,
что он, злобно топнув ногой в землю и.
опять себя выбранив, немедленно
бросился в новый путь,
но уже не к Федору Павловичу.
а к госпоже Хохлаковой. Если та, думал он,
ответит на вопрос.

она ли дала три тысячи давеча,
в таком-то часу, Дмитрию Федоровичу,
то в случае отрицательного ответа
он тут же и пойдет к исправнику,
не заходя к Федору Павловичу в п
ротивном же случае отложит всё
до завтра и воротится к себе домой.
Тут конечно прямо представляется,
что в решении молодого человека идти ночью,
почти в одиннадцать часов в дом к
совершенно незнакомой ему светской барыне,
поднять ее может быть с постели с тем,
чтобы задать ей удивительный по.
своей обстановке вопрос заключалось,
может быть, гораздо еще больше
шансов произвести скандал,
чем идти к Федору Павловичу.
"Но так случается" иногд...



どうやらわたしは皆に騙されていたらしい・・・・。

功名に造られた見せかけだけは立派な花道を用意しておいて、
その先にちょっと見ただけでは判別出来ない精巧な落とし穴を掘って、
物陰からひっそりと眺めてはほくそ笑んでいたに違いあるまい。
得意げになって闊歩していくわたしを。
何も知らずに有頂天になって舌を振るうわたしを。

寄ってたかって檻の中の豚に豆鉄砲をぶつけながら、
攻撃されているとも知らずに嬉しそうに地面に落ちた豆を
食べているその豚を見て、侮蔑と嫌悪を交えた哀れみの笑みを
矢のように浴びせかけてきたのだ。

いつの間にわたしは豚になってしまったのだろうか。
知らなかったのだ。本当に何も知らなかったのだ。
ここは本当の意味での自由な場所だった。
その自由をわたしはもう使い果たしてしまったとでも言うのか。

わたしは怯えている。
いつまた公安だの振込だのという嘘に
足を掬われやしまいかと、本物の豚のように尻尾を巻いている。
このままでは損なわれてしまう。
屈辱的に恥ずかしい名前を付けられてしまった哀れな乙女のように、
日の光に耐えうるだけの強さを持たない目をもつ悲しい土竜のように、
わたしは皆の前で弁を立てることに
致命的に激しい恐怖を感じるようになってしまった。

こうなってしまってはもはやなす術はない。
しばらくここにも顔を出すまい。
応援してくれていた数少ないわたしのシンパの諸君には申し訳ないが、
わたしは明日より籠りに入る事にする。
一度籠りに入ってしまっては、容易に外に出られたものではない。
蛹から孵る蝶のように、内部での確実なる変化が自身にもたされるまでは。
今後もしもわたしの姿を何処かで見る事があるのなら、
それはもう今までのわたしではない事をどうか知っておいてもらいたい。
先立つものは何もないが、そろそろ籠りの準備を始めなくてはいけない。
しかし、籠りの間はさて何をしたらよいのであろうか。
先人達は籠りについては何も口にしない。それはしきたりなのだ。
やはりそれは自ずから身を以て理解しなければならないものなのであろう。
思い当たる事などなにもないが、半生を振り返って記憶に残っている
ことがら総てを網羅した叙事詩など書く事にでもしようか。
それとも架空の親族のための祝言でも考える事にするか。
タイトルはさしずめ『鮮烈と脆弱』か・・・。

(訳:シグネイチャー本田)



密偵


写真 58

こんにちは。シグネイチャー本田です。
すこし心配になったので、彼が籠っている山に
村人に扮してこっそり様子を伺ってきました。
(完璧に百姓になりきっていますね。まさか誰も私だとは気付かないでしょう!)
いやあ、何年かぶりに浴びる太陽の日差しというものはとても気持ちがいいですね。
途中で出くわした小汚い老婆にトマトを頂きました。
やはり滲み出るオーラまでは隠しきれなかったのでしょう。
お礼にこっそり老婆の弱っていた膝を波動の力で治してあげました。
(もちろんお代は頂きません)
それはさておき、彼の籠っているお堂に近づくと、それはそれはとてつもない
爆音でクトゥルフ神話の屍食教典儀を朗読する彼の声が聞こえてきました。
そのあまりに鬼気迫る雰囲気に押され、とうとう扉を叩く事は出来ず終いでした。
しかし彼が元気にやっている事は(途中で嗚咽のような笑い声が高らかに響いていたので)
明白でした。何も心配する事はありません。
安心して帰ろうとした矢先、お堂の前にくしゃくしゃになった原稿用紙が
無惨に捨てられているのを発見しました。

彼には悪いと思ったのですが、こっそり持って帰ってきてしまいました。
せっかくなのでみなさんにも読んでもらいましょう。
(めんどくさいので訳しか載せません。原文は割愛させていただきますね。)

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鮮烈と脆弱

こんばんは。(ここでまず大きな拍手)
知名度の低い君たちのその原因は大いなる麻疹患者の摩耗の果てに
クリスマスケーキの束が襲ってくる所を山麓ネオン会館に見に行って以来
解けない謎になってしまったのではないかと。。。
こんばんは。(さらに大きな拍手)
君たちが足しげく通う謎のセミナーの事はここでは触れないように気をつけることにして、
今から君たちのために真冬の冬の水の氷ような特別に特別なお話を話してあげます。
君たち、おめでとうございます。(ここで既にちらほらあくび)
ほら、みんなも空き瓶を笛にして遊んでないで。わたしの話を聞きなさい。
そんなおとなは掛かり付けの子供医者の通らなくなくなった下の道に放りだしますよ。
本当に子供達はみんな静かな子に生まれてきてよかったね。まるで白黒映画の字幕みたいだ。いいぞ。
ちょっと椅子が低すぎるのでここからは誰の顔も見えませんが気にせず続けてしまうよ。
君たち、本当はわたしにとって君たちは架空の親戚なので本当の事は何も知らないと思っているでしょう。
でもわたしは君たちが終に訝しがり、わたしをここから追い出そうとするすんでのところで
今世紀最大級のゆらぎを君たちの確信に与える事ができるのでそんなにリラックスせずに
しっかりとわたしの話を聞いてなさい。(大きな拍手と幾人かの舌打ち)
君たち、もし君たちが、今日というこの素晴らしく従順な一日を確立させるためだけに
わたしやヤキ子が(ここで新郎の母の悲鳴)どんな思いで黒曜石売りの東欧人と日がな一日犬のようになって
太古の海に生命の種をまく所から始まり、焦げたパンを泣きながら捨てる所までの
仮稽古を繰り返してきたかなんて、(ここで壇上にスモーク)理解の範疇をとうに超えてしまって
何の興味も抱かなかったとしても、(ここで火災警報機の誤作動)
本当は快楽主義者の身の上話を冷たい砂の中で聴くために生まれてきた陰の軍団との
秘密の暗号の解読の続きをしに家に帰りたい所をぐっと堪えて、(ここで救急隊到着)気にしない事にするよ。
乾杯!!(ここで乾杯)
・・・以下、インプロビゼーション・・・

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祈りましょう。彼の復活を。

Sign H



密偵日記


9月21日

今日もいい天気だ。
私は再び彼のいる村へと向かった。
道の途中、先日の老婆があぜ道を自転車に乗って颯爽と走っていた。
良い兆候だ。
幾人かの村人とすれ違ったが皆私にトマトをくれた。
この村ではどうやらトマトがふんだんに穫れるらしい。
曲がり角毎に見受けられる地蔵の前にも、
笊いっぱいのトマトがうずたかく供えられている。
前回は彼を心配するあまりこの村の風景など目に入らなかったのだが、
よく見たら村の畑という畑は全て真っ赤に熟したトマトで埋め尽くされている。
地面が赤いのも赤土だと思っていたが、
これは落ちて潰れたトマトの汁のせいだったのだ。

背筋に流れた汗は、どうやら暑さのせいだけではないらしい。

悪い予感は的中した。
お堂の前に着くと、そこにもやはり大量のトマトが積まれていた。
きっと信心深い村人達が彼の読経に呼応したのだろう。

私は苦笑せざるを得なかった。
せめてもの陣中見舞いにと、差し入れとして持って来てしまったのだ。
トマトを。

私は百貨店で買ってきたトマトと村で貰ったトマトの重みを嫌というほど肩に感じながら
一人帰路についた。
結局今日も彼に会う事は叶わなかった。

彼が籠りのためにこの地を選んだのも、
もしくはこの土地柄の故かもしれない。
トマトは彼の大好物なのだ。




9月23日

今日もとてもいい天気だ。
いつもの老婆が、今日は一輪車に乗って私を出迎えてくれた。
悪くない兆候だ。
村人達も以前より親しげな態度で挨拶を交わしてくれた。
いつの間にか私は彼等が私の事をよっさんと呼んでいる事に気がついた。
もしかしたら私を誰かと取り違えているのかもしれない。
それほど私の変装は完璧だったのだ。
彼らはまたもやトマトを勧めてきたので、私は体良く断わろうとした。
しかしそのとき、一瞬空気が張りつめ、不審の波が彼らの心に広がり始める兆候を
私は見逃さなかった。
すぐさま取り繕い、何でもない風にして彼等のトマトを受け取った。
私がそれを受け取ると、彼等は笑顔で各々の仕事へと戻っていった。
私は安堵した。日頃波動を扱う者でなければ、その兆候を見逃さざるを得なかったはずだ。
日々の修練のおかげで事無きを得たのだ。

この村では、トマトが何か特別な意味を持っているのだろう。
トマトのやり取りは、何らかの深い意味のあるコミュニケーションのひとつなのだろうか。
もしあのままトマトを受け取らなかったら、と思うと、私はぞっとした。
事は思ったより深刻で、暴力的で、致命的なものを孕んでいる。
村人達に気取られないように、私はもと来た道をそっと引き返した。
私はそこに、なにか巨きな陰謀を感じずにはいられなかったのだ。

今、私の冷蔵庫の殆どがトマトで埋め尽くされている。
私はトマトがあまり好きではないのだ。




9月24日

かの村でのただならぬ異変に気付いた私は、
本部に戻ってから力を用いて事の核心に迫るべく、
夜も寝ずに占星術や風水学や帝王学や根回しやあれこれにしばらく没頭していた。
朝が来て、少し休息が必要だとようやく感じ始めた。

その時、私は驚愕の光景を目にしてしまった。

元来トマトがあまり好きではない私は、自ら買ったトマトと村で貰ったトマトを
一緒に冷蔵庫にぶち込んでいた。
ふと何か不穏な気配を感じた私は、そっと冷蔵庫の扉を開いてみた。

そこにはトマトが静かに並んでいた。何の変化も見受けられない。

いやまて。
何かおかしい。

その事実が明らかになった瞬間、私は戦慄した。
減っている、そして増えている。
私が千疋屋で購入した一つ千円もするトマトはどこにも見当たらず、
村のトマト達が1. 5倍程の大きさに膨らんでいるではないか!
私は恐怖のあまり力任せに冷蔵庫の扉を叩き閉めた。




9月25日

今日も真夏のごとき晴れだ。
一面のトマト地獄が眼下に広がっている。
もう道か畑か見分けがつかないほど、大量のトマトが煮えたぎりながら散乱している。
わたしはそれを踏みつぶしながら歩かざるを得なかった。
空気まで赤く染まったようなこの村は、むせ返すようなトマトの匂いで充満していた。

例の老婆はもの凄いスピードで地獄の紅海の中を駆けずり回っている。
まるで血まみれになっているように見えるのは、飛び散った汁を全身に浴びているからだ。
もはや良い兆候など何も無い。
いつもの人々、いや、それはかつて私の記憶の中では村人であった彼等、
慎ちゃん、浜さん、ぬけ作、ユカリンと呼ばれていた彼等、
皆怪訝な顔でぼんやりと宙を見つめている。
もはや彼等は私の知っている彼等ではないことは一目瞭然だった。
赤い。
彼等の瞳は全て、あの邪悪な野菜と同じ色をして、降り注ぐ太陽を照り返させている。
みなトマトにやられてしまっていたのだ。
私の予想どおり、これは巨きな陰謀だったのだ。

昨日の悪夢のような出来事が鮮明に脳裏に甦る。

落ち着きを取り戻した私は、もう一度冷蔵庫の扉を開けてみた。
先ほどと同じく、村のトマトは確実に元より大きくなっている。
錯覚などではなかったのだ。
試しに、冷蔵庫の中にパンを幾つか入れて扉を閉めてみた。
一瞬、冷蔵庫が微かに震え、後には痛いほどの静寂が訪れた。
恐るおそる扉を開けると、ああなんという事だろう!
消えかけた蝋燭の最後の希望まで瞬く間に吹き消されてしまうなんて!
やはりどこにもパンは無く、トマト達はすこし大きくなっていた。
試しにチョコレートも入れてみた。やはり結果は同じだ。
試しにワインを入れてみた。すぐに空き瓶が帰って来た。
試しに今度は扉を明けっ放しにして大福を置いてみた。
しかし何の動きも見られない。
もしやと思い扉を閉めるや否や、中で彼等が動く気配があった。
すぐさま扉を開けたが、もうそこに私のおやつは存在していなかった。
おやつをとられた哀しみや恐ろしさよりも、どうしても好奇心の方が勝ってしまう。
試しにガムと消しゴムを入れてみた。やはり消しゴムは食べない。
なかなか頭もいいようだ。
試しにチーズを入れてみた。
試しにベーコンを入れてみた。
試しにキャラメルコーンを入れてみた。
試しに庭で鳩を捕まえて入れてみた。
試しに、前々から仲の悪かった隣のSさんちに忍び込んで、
奴がかわいがってる猫を・・・

我に返った時には、トマト達はもう冷蔵庫には入りきらない程の大きさになってしまっていた。
突然恐ろしくなった私は、冷蔵庫をガムテープでぐるぐる巻きにして、
岬から海へと投げ捨てた。

ほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間、私は重大な事を思い出した。
もう、うちには食べるものが無い。。。。。
駅前のうどん屋でお腹を満たして、本屋で立ち読みをしている瞬間、
私はもっと重大な事を思い出した。

あの村にはまだ彼がいる。
もう一度、あそこへ向かわなくては!

…そして今、私はここにいる。
村では、トマト化してしまった村人達に替わり、
高さが2メートル程にまで成長したトマト人間達が生活していた。
この村の人間の総ては、トマト達に替わり畑に足を根差してただただ太陽を見つめていた。
たった一人、あの老婆を除いては。
私がこの村に来て初めて出会って、波動の力を送ってやった唯一の人間だ。
私の波動はこれ程まで人間の生命力を極限まで高めるものだったとは。
自分の才能の底無しの可能性に恐怖と恍惚を覚えながらも、
私の意識はただ一点に集中されていた。
目指すはあの篭り堂ただ一つだ。

私が想像したとおり、トマト達は人間化していた。
たわいもない。やはり私は完璧だった。
私は洋裁部の信者達に作らせたトマト人間スーツを着ていた。
今、目の前をうろつく不細工なトマト人間達と、全くどんなに見分けの付かないこと付かないこと!
ああ、この何という先見の明、溢れ出る才覚、ほとばしる若さ、類い稀なる美貌、有り余る富、
羨まれる人望、咲き誇る花、人類の宝、宇宙の心理、奇跡の人、もはや神の…

私は背中に感じた衝撃で我に帰った。
振り返るとそこには、怒りで更に真っ赤になったトマト人間達が、
私に目掛けてトマトを投げ付けて来るではないか!
まずい。ばれた。
私は特製スーツを脱ぎ捨て全速力で走り出した。畜生、何故ばれたのだ!
こんなことなら始めから完全武装して来れば良かった。
私の発想は完璧だった筈だ。きっと洋裁部の奴らに手落ちがあったに違いない。
あいつら、帰ったらシャクティーパット百連発の刑だ!
…もし私が無事に帰れたら、の話だが。

一匹いっぴきはなんとか相手出来るかも知れないが、トマト人間達の数は増える一方で、
私は逃げるだけで精一杯だった。
昨日の冷蔵庫の奴らは30センチ程で猫を平らげたのだから、
こいつらは牛でもひと飲みにしてしまうに違いない。
後ろから襲われでもしたらひとたまりもない。

やっとの思いでお堂の前に着いた頃には、百を優に超えるトマト人間達に
辺りを包囲されていた。見渡す限りの巨大なトマト達。
最期の光景として、これほどまでに悲惨なものも、またと無いだろう。
じりじりと近づいてくるトマト人間達。
今更彼が生きているか死んでいるかも解らないが、私にはもう信じる事しか残されていない。

覚悟を決めて扉を開けた。
そこには、以前よりかなり痩せこけてはいるが、見覚えのある笑顔があった。
"Начиная... жизнеописание героя моего, Алексея Федоровича Карамазова."
(先生・・・丁度いい時に来てくれた。たった今素晴らしいものが出来上がったばかりだよ。)
力の無い声で彼は呟いた。
明らかに憔悴しきっていたが、彼の目には命の炎が凛然と輝いていた。
私はとっさに理解した。嗚呼、なんと言う事だ!
籠りの間、彼はいっさいの食事を口にしなかったのだ。
もちろん、トマトも。
まさに奇跡だ。
私は叫んだ。
"Последний вопрос самый роковой, ибо на него могу лишь ответить!"
(説明は後だ、今すぐここから逃げ出すぞ!)
"Ну а коль прочтут роман и не увидят, не согласятся с примечательностью моего, Алексея, Федоровича."
(何を言っているんだい、まあ聴いてみてくれよ、なんと、新曲だ。)
彼は恍惚とした笑みを浮かべ、おもむろにギターを手に取った。
だめだ。彼は籠りの成功と空腹のあまり、もはや忘我の境地に達している。
だめだ。もう間に合わない。奴らがゆっくりと入り口から押し寄せてくる。
死を覚悟してみたら、以外と恐怖は感じない。
彼と一緒なら、怖い事など何も無い。
私たちはよくやった。本当によくやった。
思い残す事は山程あるが、そろそろ潮時かもしれない。
ただ、心残りなのは、私の帰りを待つ者たち、そしてヤキ子の・・・

その時、この世のものとは思えないような旋律が私を包んだ。
彼が何も気づかずにギターを弾き始めたのだ。
・・・何という素晴らしい音楽だ。私は天にでも登る気持ちでいっぱいになった。
最期の時に、これほどまでに幸せな音を全身で受け止めながら死んでいくのも
悪くないではないか。さあ、トマト達よ、いつでも来い。

そして、彼が歌い始める。

~Điểm đáng chú ý thứ nhất là tiếng Pháp hiện nay là một loại tiếng Rôman nhưng đã bị khá nhiều ảnh hưởng của tiếng Đức. Điểm đáng chú ý thứ hai là tên của tiếng Pháp~

私は目をつむりその素晴らしい歌を聴きながら死を待った。
しかし何か様子がおかしい。
目を開けてみると、トマト人間達が皆、小さな奇声をあげてもだえ苦しんでいるではないか!
見る見るうちに小さくなり、いつの間にか普通のトマトにまで縮んでしまった。
もしかしたら・・・
私は彼の背を押し、入り口の外まで押しやった。
そして彼に向かって言った。
"Теряясь в разрешении сих вопросов, решаюсь их обойти безо всякого разрешения!!"
(さあ観衆はそろっているぞ、その歌を皆に聴かせてやってくれ!!)
彼は頷いて、さらに大きな声でその歌を歌い始めた。
断末魔のような無数のうめきとともに、見る見るうちにトマト人間達は縮んでいった。
気が付けば歌は終わり、あたりは静まり返っていた。
無数のトマトが地面に転がっていた。この村の元来の風景だ。
彼の歌が、トマト人間達の野望を打ち砕いたのだ。
こんな70年代のB級映画みたいな結末を誰が想像し得ただろう。

ほとんど意識を失いかけていた彼を連れて、村の外れに停めてあった車に戻る時、
何事も無かったかのように再び畑仕事に精を出す村人達を見かけた。
例の老婆は走り疲れたのか、バス停のいすに腰掛け居眠りをしていた。

とても良い兆候だ。

本部に戻ってから、疲労と飢えで死にかかっている彼に向かって私は言った。
"Я бы впрочем не пускался в эти весьма нелюбопытные, и смутные объяснения и начал? бы просто-за-просто без предисловия."
(今回は本当にお疲れさまでした。お腹がすいているだろう?何でも食べたいものを言ってくれたまえ。)
すると彼は言った。
"TOMATO."



追記

本当に色々あったが、彼の籠りは成功した。
次回聴衆の前に現れる時にはその成果が発揮されるだろう。
楽しみにしておいて損は無いだろう。



シグネイチャー本田


こっそり撮ったトマト人間の写真
Image119.jpg











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